マダイはどんな魚
マダイ (真鯛、英語: Red seabream、Pagrus major)は、スズキ目スズキ亜目タイ科に分類される海水魚。日本では重要な食用魚で、「鯛」といえば狭義にはこの魚を指す。
属名は、ギリシャ語でタイを意味する Πάγρος(パグロス)のラテン語形 Pagrus。種小名は、ラテン語で大きいを意味する major(マヨル)に由来する。Pagrus major(パグルス・マヨル)全体として、「大きな、タイ」という意味を成している。
マダイは、日本人が最も好む魚の一種です。
タイといえばマダイ
一般的にタイといえばマダイを指します。
日本で最も人気で美味しく高級魚の1種です。
何かめでたい行事には欠かせない存在の魚です。
学術的な分類
マダイは「スズキ系スズキ目スズキ亜目タイ科マダイ亜科マダイ属」に分類されます。
名称
呼び名は、マダイ・タイ・チャリコ・コダイ・オオダイ・カスゴ・チャリ・ヤキ・タイコ・タイゴ・サクラダイ・ヒシ・ベン・テエ・ホンダイ・メヌケタイ・キッコリ・メンダイなど様々です。
成長過程で呼び名が変わるまたは地域でも呼び名が変わります。
別種のタイと区別する時に「本」や「真」を頭に付けて本鯛、真鯛と呼ばれることがあります。
学名は「Pagrus major」です。
この学名は、タイを意味する「Pagrus」と大きいを意味する「major」から名付けられています。
英語で「Red seabream」といわれています。
体が幅広い楕円形で、体高が高くいわゆるタイ型といわれる魚です。
タイは平魚で「平たい魚」を意味しているという一説もあります。
マダイの見分け方
扁平した体は、美しいピンク色に覆われ、輝点と呼ばれる青い小斑点が背側に散らばっていて非常に美しい魚である。目の上にもアイシャドーのような青い輝点があり、尾ビレの後縁(後端)が黒く縁どられているのが特徴。
マダイによく似た魚には以下の3種があります。
- キダイ(黄鯛)
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色合いが黄色いのが特長で、通称レンコダイです。「タイ科キダイ亜科キダイ属」に分類されます。
- チダイ(血鯛)
鰓ぶたの後縁が血がにじんだように赤いのが特長で、通称ハナダイです。「タイ科マダイ亜科チダイ属」に分類されます。最大でも40cmくらいです。
- ヘダイ(平鯛)
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銀色で平たいのが特長です。「タイ科ヘダイ亜科ヘダイ属」に分類されます。
マダイの生態
北海道の南部から尖閣諸島、朝鮮半島の南部から東シナ海にまで広く分布し、水深30~150mの潮通しのよい砂礫底や岩礁域に生息します。鯛はエビが大好物ですが、成魚は小型のイカや甲殻類、小魚などもよく食べます。雑食性の魚でなんでも食べる傾向があります。
孵化した仔魚は浅瀬で藻や小動物を食べて成長します。
仔魚は1cm程になると底性生活をはじめ、夏には約6㎝まで成長。冬が来ると沖合いに出て水深50m以上の底層で越冬し、1歳(15cm)になった春に浅海域に戻り、次の冬にはまた沖の深場に向かうサイクルを繰り返します。
1年で15cm前後、2年で25cm、5年で40cmぐらいに成長し、70cmになるには10年近くかかるそうです。
寿命は長く、30年~40年程ともいわれています。
越冬のための季節回遊だけでなくエサを求めて索餌回遊と産卵のための産卵回遊を行います。
産卵時期
産卵期は春~夏で、この時期は沖合から沿岸に移動してきます。
卵の直径は約1.2mm、浅瀬で産卵します。
水温に応じて35~54時間で孵化します。
適水温
マダイの好適水温は、18度以上28度ぐらい
塩分濃度の変化に弱い狭塩性の魚で、陸水の影響を受けやすい河口などの浅場は好まず、低水温にも弱いです。
天然真鯛と養殖真鯛
真鯛には天然と養殖がいます。
天然真鯛は深場でカニや小魚などを食べて育ちます。
養殖真鯛はわりと浅場で育ちます。
そのため体色に違いがでます。
そのほか、天然真鯛には、鼻の穴が左右に2つずつ存在します。養殖真鯛には、鼻の穴が左右に1つずつしかないことが多いので見分けの目安にできます。
天然だから美味い、養殖だから不味いというような単純ではなくその個体の状態により美味しさに差が出ます。
流通しているマダイはほとんどが養殖ですので、「天然マダイ」と表示されていなければ養殖です。
季節ごとのマダイ
桜鯛(3~5月)
春先の産卵期の直前は「桜鯛」といわれます。
この時期の鯛は、2パターン存在します。
卵や白子を蓄える前の鯛はこれから迎える産卵期のためにエサを荒食いし丸々太って脂がのっています。
一方、卵や白子を蓄えた鯛は卵や白子に栄養がいく分、身が痩せていて旨味が少ない場合があります。
鯛は産卵のために浅瀬に移動します。
サクラダイ(Sacura margaritacea:スズキ目スズキ亜目ハタ科ハナダイ亜科)というマダイとは別種の魚がいます。最大級で15cmほどで小型でかつ少量しか取れないため市場では流通しません。
麦わら鯛(初夏~夏)
麦わら鯛は産卵を終えた初夏から夏の鯛で、色が黄ばみ脂肪が少なく味が劣ります。
モミジ鯛(晩秋)
秋になると冬に備えて鯛は荒食いを始めます。
晩秋から冬の鯛を「モミジ鯛」といい、丸々と太って脂がのっています。
美味しいブランドマダイ
マダイの魅力
祝い事にも使われ七福神の恵比寿様が小脇に抱えているのがタイです。
「腐っても鯛」、「めで鯛」などに代表されるように、日本人が昔から重宝している魚種の1つです。
エサのエビの影響で体色が赤くなるといわれています。
体色が桜色で美しい体形の高級魚でかつ長生きする魚で縁起物として流通しています。
大きいサイズでは1mオーバーになります。
江戸時代には「魚の王様」としての地位を確立し、どんな調理方法にもあう美味しい魚として人気です。
沖縄を除く日本海域で釣ることのできる魚です。
調理方法
マダイの釣り方
エサ釣り
カゴ釣り
投げ釣り
ひとつテンヤ
軸の長いハリのチモト部分に円錐台形のオモリを付けたエサ釣りです。
エサにはサルエビやアカエビなどの中型のエビを使います。
マダイのビシマ釣りから進化したのが一つテンヤです。
天秤フカセ(コマセマダイ)
最も有名なエサ釣りです。寄せエサにオキアミ、付けエサにオキアミを使います。
完全フカセ
タイサビキ(チョクリ)
ルアー釣り
タイラバ
マダイのラバージグを使用したルアー釣りです。当初は固定式が主流でしたが現在は理由がない限りは遊動式がおススメです。
誰にでも簡単にマダイが釣れることで人気がある釣法です。
タイジギング
青物ジギングと同じくメタルジグで鯛を狙います。
マダイが釣れる場所
陸からの釣りで真鯛を狙うなら投げ仕掛けで遠投しかないと思います。
時期によりますが、チョイ投げで釣れるような真鯛は小さくチャリコと呼ばれるリリースサイズです。
条件が合えば陸からでも釣れる可能性はあります。
一般的には水深50m~100mくらいの場所で船釣りです。
東京湾だと剣崎沖や久里浜沖は乗っ込みコマセマダイで有名です。
船宿
真鯛を本格的に狙うなら船釣りです。
チャーター船、仕立て船、乗合船で行く船釣りです。
東京湾には多くの船宿があります。
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